このほどSISデータで設定1の出玉率87.1%という未曾有の数値を叩き出したインフィニット・ストラトス(以下、IS)について、徒然なるままに。

①メーカー(SANKYO)の罪
周知の通り、メーカーが自社名義で製品のスペックを発表することはありません。雑誌その他のメディア経由でユーザーに情報を提供します。導入前に発表されたISの出玉率は次のようなものでした。

設定1:96.8%
設定6:112.4%

しかしこれ、あくまでも一般ユーザー向けの情報です。では、メーカーの直接のお客様(ホール)向けの資料ではどうなっていたのか、見てみましょう。

http://livedoor.blogimg.jp/surotenn/imgs/7/4/746ebd17.jpg
(引用元:パチパチマニアックス)

設定1:93.28%となっています。同じ機械について、プレイヤーとホールにそれぞれ異なる情報を提供していたわけですね。要はプレイヤーに、この機械が実際以上に甘い、と思い込ませるべく情報を流していたわけです。この詐欺的行為につき、メーカー及びその関連会社に対して何らの懲罰も課されておりません。尤もISのデータが飛び抜けて異常なだけで、これまでにも明らかな出玉率詐称機種は多々ありました。それらのケースにおいても何らかの懲罰的処置がとられたことはありません。それゆえ、ISについても「お咎めなし」となるのは無理からぬことではあります(納得はできませんが)。
なお前述の通り、IS設定1の実働割は87.1%。メーカー向けの資料からもかけ離れたものとなりました。 プレイヤーに対しては嘘の上塗り、ホールに対しても嘘をついて欠陥品を売って、だんまりを決め込む。SANKYOというのは、こういう会社です。

② ホールの罪
「思った通りの挙動しねェ!」「ソッコー客飛んだ。週末まで稼働もたねェ!」と大わらわのホールが多々あることと思いますが、被害者ヅラはいけません。先述のとおり、ホール向け資料に記載されたIS設定1の出玉率は93.28%。これでも十分なボッタクリ台です。 メーカーと足並み揃えてプレイヤーを騙すことを画策していた輩に、物申す資格があるはずもありません。

③プレイヤーの罪
上に述べたような詐欺的商法が罷り通っているのは、新台を見ればホイホイ飛びつくプレイヤーが未だ数多くいるからに他なりません。此度ISのケースでは、パチスロ史上屈指の出玉率詐称が行われたがゆえに問題が表面化したにすぎません。多くのプレイヤーは、「早いサイクルの新台入換→高粗利営業」の構図に巻き込まれていて、半ばそれを自覚しつつもパチンコ屋に通い続けているわけです。

とあるブログで(敢えてブログ名は記載しません)、「プレイヤーは業界に対して“NO”を突き付ける必要がある」という主張がなされておりましたが...まぁ遊戯環境の改善のための価値ある提言とは言えないでしょう。
何となれば、既にパチンコ・パチスロ業界は膨大な数のプレイヤーから“NO”を突き付けられているからであります。

現状、新鬼武者や初代エウレカの頃に比べて、遊戯人口がどれくらい目減りしましたか?さらに遡って、四号機の頃と比較すると?

この業界は、すでに無数のプレイヤーから“NO”を突きつけられています。ただそれは共同の目標を有する集団によって行われたものでなく、個人単位での引退というかたちでなされたため、事象としては「遊戯人口の漸減」としか捉えられなかった。ただそれだけのことです。

メーカー及びホールに対して、真に分かりやすいかたちで“NO”のメッセージを伝える手段としては、数万人単位で連携してのストライキ(ホールに行かない、打たない)くらいしかないわけですが、これも困難でしょう。何せ今のプレイヤーの多くは単なる「打ちたい病」患者であり、彼らのあいだには何らの紐帯もないのですから。

業界ぐるみでの組織防衛を図っているパチンコ・パチスロ業界ですが、このままではいずれ限界が訪れます。淘汰圧は確実に働いている。今年はマルホン・西陣・SNKプレイモアが相次いでパチンコ・パチスロ事業からの撤退を余儀なくされました。ホールの廃業も数知れずといった有り様です。

出来ることなら、業界そのものの終焉をこの目で見たくはないのですが...。

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