観てきました。『思い出のマーニー』。
試写会に行った人々の評価は散々。
やれ「百合百合で気持ち悪い」だの、
やれ「『ゲド戦記』以下」だのと。

ま、試写会での評価なんぞあてにならん。自分で観てみないことには何も分からん。

以下感想。
『風立ちぬ』のような「考えさせられる」作品ではなかったけれど、「観られる」作品ではありました。イントロダクション・期待の地平・収束ときれいにまとまった物語だった。
ちなみに百合百合してるのは見た目だけ。「あなたのことが大好き」というのは母性愛のことばです。
「『ゲド戦記』以下」、というのはそもそも有り得ない。これをマジックに喩えると「沼のチンピラ以下」くらいの意味になる。繰り返しますが、有り得ません。

その他語るべきことは...あまりないな。

メンヘラな女の子が
実は自分が望まれて生まれてきたことを
愛されて生きてきたことを
そして今も善意のなかで生きていることを知って
元気になる。
作中、少女の姿をしたマーニーは全て杏奈の妄想の産物で、ほんとうのマーニーは杏奈のおばあちゃん。

それだけのお話。杏奈にマーニーの幻影を見させたものが何であったのかは作中で明示されていない。する必要もないのだろう。

あ、あと杏奈ちゃん可愛い。

※結婚式の余興
このたび大学のゼミの同期が結婚することになり、披露宴にて友人一同で余興をすることになった。計画の詳細については他の面子に丸投げしていたのだが、あらかた決まったらしく、先程連絡があった。寸劇をやるのだと。どれどれ?

タイトル:穴と雪の女王
俺の役:ナレーション

...くれぐれも悪ノリしないよう釘さしといたのにこのザマかよ。
こんなんでも嬉々として練習に参加するであろう自分が嫌です。

※追記
『思い出のマーニー』、上述のとおり特別どうということもない映画だったんだけど、ひとつ気になるところがある。
それは

観客の方が、杏奈より先にマーニーの正体に気づいてしまう

ように仕向けられていることだ。情報の出し方からして、偶然じゃない。明らかに製作者が意図的にやったことだ。

普通こういう場合、

観客と杏奈が同時にマーニーの正体に気付く

ように仕向けるのだがねぇ。

要するに製作者は

観客と杏奈が驚きをともにする

のではなく、

既にマーニーの正体を知っている観客が、驚く杏奈をメタな視点から眺める

ように物語を設計したのだね。
その意図は、よう分からん。

※追・追記:『思い出のマーニー』と『アルハンブラの思い出』
『思い出のマーニー』の挿入曲に使用されたのがこの『アルハンブラの思い出』である。この曲の曲想は、おそらく「残照」。
勘の良い人は、この曲が流れた時点でマーニーの正体に気づいたのではなかろうか。
良い選曲だったと思う。本作の米林監督、「アリエッティ可愛い」で終わってしまった前作から随分監督としての手腕を磨きましたね。今作は決して「杏奈ちゃん可愛い」だけの作品ではなかった。いや杏奈ちゃんは可愛いけどさ。

さりとて、政治性から敢えて距離をとって、なおかつあれだけ残酷で鑑賞者に色々考えさせる作品を作れる宮崎駿とは、まだ監督としての力量に差があるね...。

コメント

ペンタバイト
2014年7月22日9:25

>穴と雪の女王

完全に悪ノリですねwww
「アナ」のイントネーションでじわじわ来そうですww

先生様
2014年7月22日16:53

「アナ↑」じゃなくて「あな↓」
タイトル読むのは誰あろう私です。滑ったときのことは考えたくありません。

先生様
2014年7月22日16:54

矢印が逆ですね。

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