これまでにフェアリーについての記事はさんざん読んできたのだが、今回の記事には非常に感銘を受けた。特にフェアリーミラーの考察について。
よって該当部分を抄訳します。皆さんのご意見、お伺い出来れば幸いです。
なお、急ぎ足での翻訳ゆえ直訳調で読みにくい、おかしいところなど色々あるかもしれない。
気付かれましたら、ご指摘ください。元記事はこちら。
http://www.channelfireball.com/articles/initial-technology-playing-vampire-nighthawk-in-extended/

まずはLSVのデッキレシピから。
メインデッキ
4 Spellstutter Sprite
4 Mistbind Clique
2 Vendilion Clique
4 Bitterblossom
4 Cryptic Command
3 Mana Leak
3 Thoughtseize
2 Jace Beleren
2 Grasp of Darkness
2 Disfigure
2 Peppersmoke
1 Jace, the Mind Sculptor
1Inquisition of Kozilek
4 Secluded Glen
4 Creeping Tar Pit
4 Darkslick Shores
4 Mutavault
2 Sunken Ruins
2 Tectonic Edge
4 Island
2 Swamp

サイドボード
3 Vampire Nighthawk
2 Wurmcoil Engine
2 Sower of Temptation
2 Spell Pierce
2 Peppersmoke
2 Tectonic Edge
1 Deathmark
1 Doom Blade

対フェアリーのサイドプランと考察
イン: 2 Spell Pierce, 2 Tectonic Edge, 3 Vampire Nighthawk, 2 Sower of Temptation, 2 Peppersmoke
アウト: 2 Disfigure, 2 Grasp of Darkness, 2 Vendilion Clique, 3 Mistbind Clique, 1 Spellstutter Sprite, 1 Mana Leak (後手時), 先手時には、スプライト2枚をサイドアウト。マナリークはサイドアウトせず。

ミラーマッチはサイドボーディングが最も困難なマッチアップだ。何故なら、問題の核心が相手のデッキの個人的カードチョイスにこそあるからだ。
仮に相手が末裔と誘惑蒔きを採用しているなら、間違いなく「見栄え損ない」が欲しくなるだろう。私なら「損ない」を残すために、マナリークと霧縛りを各1 枚ずつサイドに落とすだろう。
代案としては(訳注:意訳です)、単に夜鷲をサイドインしないで、「闇の掌握」を残すことも出来る。これらをどう考えるかは、相手が霧縛りをデッキに残すか否かに掛かってもいる。
仮に相手が霧縛りをサイドアウトししていたら、「掌握」はデッキ中で最も質の悪い除去になってしまう。これはひょっとすると、夜鷲(を入れないこと)よりもただただ悪い選択肢かも知れない。
霧縛りは、ミラーマッチではそれほど有用ではない。なぜなら、スペルの全てはインスタントであり、かつ霧縛りは場に他のフェアリーがいることに依存するカードであるからだ。加えて、霧縛りが単に「重い」ってこともある。
我々が多くのマッチアップで「地盤の際」をサイドインしていることにお気付きだろう。 しかし私は、1つかそれ以外のデッキに対して貴方の試合運びを弱体化させてしまうスペルを除いて、貴方がメインデッキのスペルのいずれかをサイドアウト出来るものとは考えていない(訳注:『一般的には、特定のマッチアップで明らかに腐るカード以外はサイドアウトしづらい』くらいの意味でしょう)。しかし私には、ジェイス・ベレレン-1、地盤の際+1、というプランは有用と思われる。
訳ここまで。

さて、色々考えさせられるが、まず注目すべきはLSVが(サイド後の)フェアリーを通常の「シナジーデッキ」として運用してはいない、というところだろう。
ざっくり言って、フェアリーの調整には2つの方向性がある。
まずひとつは、デッキ内のシナジーを可能な限り増やすという方向性だ。言い換えれば、各カードが「孤立」する機会を出来る限り少なくする、ということだ。
苦花、スプライト、コショウ煙、霧縛り、末裔etc、これらは場の、或いは手札の状況如何で大幅に強さが変動するカードだ。これらのカードを最大限に強く運用すること、すなわちデッキ内のシナジーを最大限活用すること。フェアリーの王道といえるプランだろう。

もうひとつの方向性は、デッキ内のシナジーを最小限に抑え、単体で機能するカードを増やすという方向性だ。
LSVが採用しているのは、明らかにこちらの方向性である。
彼は元記事の別の箇所で言っている。「このデッキはサイド後はフェアリーではなく、青黒コントロールになる」と。
このプランだと、フェアリーによるシナジーが減る分、デッキパワーの最大値は低くなる。代わりに安定した戦いが可能になる。

現エクテン環境の除去の優秀さ、そしてヴァラクートやトラップ・ランプなど「一撃必殺」型デッキの隆盛。おそらくLSVらは、これらの状況に鑑みて上のプランを採用したと思われる。
なおLSVは、対ナヤ及び対ジャンドでは、上のサイドボードから「呪文貫きを除く全てのカード」を投入するという。
以上、簡潔にまとめると次のようになる。
相手のデッキが分からない段階、すなわち各マッチの一戦目においては、デッキの瞬間最大風速を上げるべくフェアリーシナジーを活用する。
他方、相手のデッキが判明した後は、除去コントロールないしはハンデス&パーミッションといった一点突破型のアプローチをとる。この場合、フェアリー特有のシナジーを活かすことはもはや一義的ではない。
無論これは、苦花が単体でも純粋なパワーカードであるからこそ可能なプランではある。しかしLSVの考察は、フェアリーというデッキの奥の深さを示すものであり、興味深いものといえよう。

コメント

えれめん
2011年1月25日19:37

良記事の予感?
もっと先生いろんな記事英訳してくれー

kuma
2011年1月25日23:42

今回、とっても強い除去を入手したのでフェアリー強くなりますね

セイ
2011年1月26日10:43

初めまして、リンクさせていただきました。
対フェアリーのサイドボードで悩んでいたので参考にさせていただきます。

それにしても、際の追加や霧縛りの徒党のサイドアウトには目から鱗でした。

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